こんにちは。小林歯科医院、院長の小林です。
日本各地が梅雨に入りはじめ、蒸し暑い日も増えてきました。すでに冷たいそばやそうめんを楽しんでいる方もたくさんいらっしゃることでしょう。
そういった食べ物はのど越しを楽しむ側面もありますね。
ところで、あなたはひと口に何回くらい噛んでいますか?
10回?15回?…もしかしたら「5回くらいしか噛んでないかも…」なんていう方もいるかもしれませんね。
下の表を見てみると、現代の日本人は弥生時代の6分の1、もっと近い時代の昭和初期と比べても2分の1以下ほどしか噛んでいません。
食べるものの内容が激変し、あまり噛まなくても飲み込むことができる物が増えたことが大きな原因だとは思いますが、昔よりも「食事の時間」そのものに重きをおかなくなったこともその要因の一つかもしれませんね。家庭での団らんが減り、一人で食べる機会が増え、テレビやスマホを見ながらなんとなく食べる…というような「ながら食い」をする人も増えました。
よく噛んで食べることの重要性は以前より言われているところですが、具体的にどのような「良いこと」が起きるのでしょうか?
・唾液の分泌を促し、消化を助ける
・唾液の作用により、むし歯や歯周病を予防する
・脳を活性化し、認知症を予防する
・早食いを防ぐことによる肥満の防止
・顎の発育を促し、歯並びに良い影響を与える
ちょっと挙げるだけでもこんなにたくさんあります。
でも、3つめの「認知症の予防」になぜつながるのでしょうか?
噛む時に咀嚼筋や表情筋など、たくさんの筋肉を動かすことにより血流がよくなり、脳へたくさんの血液が送りこまれ、脳が活性化されます。また、動かされた筋肉の刺激によって、「記憶」に深く関係している海馬や前頭前野に影響を与えることもわかっています。
「一回噛むと脳へ送り込まれる血流は3.5ml」と言われます。
ひと口で10回噛むと35ml、30回だと105ml。この差が食事のたびにつく、と考えると…。大きな差があることは明白ですね。
しっかり噛んで認知症予防。弥生時代よりも数倍も長くなった人生、豊かな食生活を送りながら、生き生きと楽しく日々過ごしていきたいものですね。